オススメの作家・本の2回目は歴史モノです。子供の頃からNHKの大河ドラマはもちろん、「歴史への招待」など、歴史ドキュメンタリー番組が大好きでした。古代から近代・現代までの歴史の側面に光をあてる、それを鈴木健二アナウンサーの軽妙な語りとともに解説する。単純な構成だけれど、歴史の楽しさを十分に感じることができる番組だったと思います。歴史モノだけに限らず、NHKのドキュメンタリーはすごいな、と今でも思います。森田健作に憧れて、剣道を始めたこともあって、どうしても武士モノ、戦国モノを選んで読むことが多い。その中で今日は、誰もが知っている池波正太郎さんをご紹介します。
池波正太郎 Ikenami Syotaro
池波正太郎。言わずと知れた歴史作家の大家です。1923年(大正12年)東京市浅草区(現在の東京都台東区)の出身です。うーん、出身地だけでも江戸の人情や文化を肌で十分に感じて育ったんじゃないかと想像できます。僕が池波正太郎という作家を意識したのは、NHKの歴史ドラマ「真田太平記」の作者としてでした。忍者には幼少期からアニメや人形劇などで見ていたので興味があって、学研まんがの「忍術・手品のひみつ」を読んでは忍術の修行の真似事などをして遊んでいました。また、忍者といえば真田幸村率いる「真田十勇士」。そんな背景もあったと思います。
という訳で、池波正太郎さんの1作目は「真田太平記」(新潮文庫・全12巻)です。信濃国の小豪族だった真田氏についての物語です。一般に真田三代というと幸隆、昌幸、信之(信幸)・幸村(信繁)ですが、「真田太平記」は昌幸・信之・幸村を中心に話が進んでいきます。昌幸の智謀、信之・幸村の幼少期から成人してからのそれぞれの生き方が、いきいきと語られています。小大名でありながら、二度も徳川氏に勝ったのは真田氏だけだと思います。戦国時代、徳川という大きな流れに逆らいながら、独自の生き方を探る。そんな生き方に僕は憧れています。長編ですが、ぜひ読んでいただきたい作品です。※本の画像はAmazonのサイトとリンクしています。
2作目は「鬼平犯科帳」(文春文庫・全24巻)です。テレビシリーズで有名なので誰もが知っていると思います。でも意外と原作を読んでいる人は少ないのではないかと。そのほとんどは短編で構成されています。江戸中期から後期、火付盗賊改方長官・鬼平こと長谷川平蔵の物語です。一言でいえば、カッコいい。僕がサラリーマンで、こんな上司がいたら、ひたすらついていきたいと思うタイプです。長谷川平蔵と火付盗賊改方の面々や密偵・捕まえられる盗賊とのやりとり全てにおいて、人が人として生きていくというのはこういうことなんだなと思わされます。何でもビジネスライクで、人の揚げ足を取り、責任回避となすりつけ、自分さえよければそれでいい、そんな今の世の中に嫌気がさしている人にはぜひ読んでいただきたい。少し他人に対して、優しくなれるかもしれません。※本の画像はAmazonのサイトとリンクしています。
上記2作の他にも、「剣客商売」シリーズ、「仕掛人・藤枝梅安」シリーズなど面白く読めるものがたくさんあります。歴史モノはジジ臭くてちょっとなあと思っている方も一度騙されたと思って読んでみてください。(やっぱり騙された!と感じたらごめんなさい!)ざらざらした心が少し軽くなると思います。
※経歴についてはwikipediaを参考にしています。
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