2018年8月8日・台風が迫る中、ちょっと早い夏休みをとって「小田和正 2018ツアー ENCORE!! 武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナ公演」に行ってきました。オフコース時代から40年近く小田さんのコンサートを見てきました。小田さんも9月で71歳。最近は”今回が最後のツアーかもしれない”という強迫観念に駆られて、必ず東京の公演は行くようにしています。東京公演は、日本武道館・代々木競技場第一体育館・東京体育館が多かったのですが、代々木が改修中なので、武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナになったのではないかと思います。(アリーナツアーなので、アリーナって名称のものを選んでいるのかも知れませんが・・・)昨年竣工したばかりなので、まだ新築の匂いがする新しいアリーナです。アリーナの形状は長方形で、普通のコンサートだったら短辺側にステージを設置すると思いますが、小田さんは長辺側にメインステージ、そこから花道をアリーナに巡らせています。なるべく観客の近くに行こう!という気持ちが表現された構成ですね。PAシステムのメインスピーカーは昔ならステージ横に積み上げた構成が多かった(オフコース・1982年『over』コンサートツアーの武道館公演は国内では前例がないくらいのPAシステムを組んでいました。)のですが、最近は天吊が多いようですね。会場全体にうまく音がまわるようですし、音圧も昔ほど大きくなく、小田さん流に言えばジジイ・ババアにも優しい音環境です。今回は初めてのアリーナ席でした。まわりには昔は妙齢だったジジイ(僕も含めて)・ババアが多いのですが、みんな目を輝かせて小田さんを見つめていたのが印象的です。花道から降りて来て、すぐそばに来た小田さんをキャーキャー言いながら楽しそうにしている姿を、まるで高校生だなと思いながらもみんな小田さんと一緒に生きて来たんだなと、感慨深いものがありました。
8月8日のセットリストは、
1.会いに行く:2018年
2.愛の中へ:オフコース『over』1981年
3.こころ:2007年
4.たしかなこと:2005年
5.愛の唄:オフコース『ワインの匂い』1975年
6.秋の気配:オフコース『JUNKTION』1977年
7.小さな風景:2018(2017)年
8.愛を止めないで:オフコース『Three and Two』1979年
9.そんなことより 幸せになろう:2014年
10.東京の空:2011(2006)年
11.言葉にできない:オフコース『over』1981年
12.goodtimes & badtimes:1990年
13.Yes-No:オフコース『We are』1981年
・ご当地紀行(多摩地区を中心に)
14.坂道を上って:2018年
15.time can wait:1990年
16.ラブ・ストーリーは突然に:1991年
17.キラキラ:2002年
18.YES-YES-YES:オフコース『I LOVE YOU』1982年
19.さよならは 言わない:2009年
20.生まれ来る子供たちのために:オフコース『Three and Two』1979年
21.風と君を待つだけ:1992年
22.今日も どこかで:2008年
23.この道を:2018年
24.君住む街へ:オフコース『Still a long way to go』1988年
・アンコール1
25.NEXTのテーマ 僕らがいた:オフコース『NEXT』1982年
26.またたく星に願いを:1993年
27.hello hello:2011年
・アンコール2
28.さよなら:オフコース 1979年
29.やさしい夜:2014年
30.また会える日まで:不明
だそうです。”だそうです”と書いたのは、僕は記録していないのですが、最近はネットでアップされているのでそれを参考にしているからです。(http://live-concert.net/archives/3820 を参考にしました。ありがとうございます。)
オフコース時代とソロの曲をうまくミックスしての約3時間で30曲。超人的です。最近はコンサートに行くたびに、今日の小田さんの声の調子はどうだろうと本人でもないのに気になって仕方がない。バンドなどでライブをやったことがある人ならわかると思いますが、ヴォーカルは第一声がうまく出れば何とかなるという感覚があります。この日の小田さんは・・・まあまあでした。どうしても昔のように声は出ない。これは仕方がないですね。高音はノドを締めてシャウトするように唄えば声は出るのですが、中音域がちょっと不安定でした。でもそれを息の量を増やして調整して感じさせないようにするテクニックは、さすがとしか言いようがありません。最近のリハーサルはフルにやらないようなので、喉が温まるまでに時間がかかるのでしょう。(小田さんの声の出し方は特殊なので安定するのに少し時間がかかるのだと思います。声のことに関しては別の機会に書こうと思います。) 前半終了後、楽しいご当地紀行(多摩地区の名所などを小田さんが訪れてビデオで紹介)を挟んでの後半は、声の伸び・安定度も良くなっていました。後半からミキシングを少し変えたかもしれません。リバーブとディレイも少し調整したような気がしました。(気がしただけかもしれません。)
5人と4人のオフコースの時はあまり喋らずに淡々と曲をこなしていくコンサートでしたがソロになってからはちょっと違って、その時々に思っていることを話されるようになりました。これが自虐的かつ口が悪くかつオチがないと三拍子揃ったMCで、非常に面白い。でもこの日はいつもよりおしゃべりは少なかったですね。3時間にも及ぶコンサートだと途中ダレた感じがするのですが、構成が良いのかそんな感じを与えない充実したコンサートでした。オフコース時代の曲はアレンジがオリジナルと異なるので賛否が分かれるところだと思いますが、アンコールの「さよなら」はギターソロ含めてオリジナルに近いアレンジでした。オフコースからのファンにはたまらないですね。ピアノでの弾き語りに近い曲「東京の空」「言葉にできない」「さよならは言わない」「生まれ来る子供たちのために」は小田さんの高音が心地よく響き、また照明もスポットライトを数本だけ使用するシンプルな構成にして意識を音に集中させる演出で、感動的でした。個人的にはアンコールで1982年の武道館10日連続公演後、TBS系TV局で放映されたTV番組「NEXT」のテーマ曲「NEXTのテーマ 僕らがいた」を聞けたのが良かったですね。脱退した鈴木康博氏に向けた曲というイメージがありますが、この曲を聞くとTV番組内でオフコースの再結成をテーマにしていたように、もう一度オフコースとしてのライブが聞きたい、そう思ってしまいます。叶うことはないかもしれませんが・・・。会場を出る時に、ミキシングコンソールのそばを通りました。そこで白髪だらけになっていましたが、オフコース時代からミキサーを担当している木村史郎氏らしき姿を見つけました。知り合いでもなく、一方的に存じ上げているだけですが、なんか嬉しくなりました。コンサートの中で、小田さんはまたツアーを行うことを約束してくれました。いつまで小田さんの歌声を聞くことができるのかわからないですが、また次のツアーも行こう、そう心に誓い、会場をあとにしました。
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この日に演奏した曲が収録されているCDは下記になります。※CDの画像はAmazonのサイトとリンクしています。